こんにちは、レムシステム株式会社のエンジニアの小村(@system_kom)です。本記事ではLinuxサーバーにUSB HDDを接続し、利用可能にする方法をご紹介します。この記事は、Linuxサーバー構築を検討されている方や、安価な大容量ストレージの追加を考えている方に役立つ内容となっています。ここでは、USB HDDの認識確認から始まり、パーティショニング、ファイルシステムの作成、マウントポイントの作成とマウント、そしてマウントの確認まで、段階的に説明していきます。これらの手順を通じて、大容量ストレージを安全に追加し、バックアップやファイルの保存などに活用できるようになります。
接続したディスクの自動マウント方法は別の記事で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
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USB HDDの自動マウント設定
こんにちは、レムシステム株式会社でエンジニアとして働いている小村(@system_kom)です。今回は、USB HDDの安全な自動マウント方法についてご紹介します。多くの方がディスクを起動時にマウント
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1. USB HDDの認識確認
今回はAlmaLinux 9.4で構築したサーバーにBuffalo製のUSB HDDを接続しました。まず、接続したUSB HDDがシステムに認識されているか確認します。確認は以下のコマンドを使用します。
command
# parted -l
モデル: BUFFALO HD-SHU3 (scsi)
ディスク /dev/sdb: 2000GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B
パーティションテーブル: msdos
ディスクフラグ:
番号 開始 終了 サイズ タイプ ファイルシステム フラグ
1 32.8kB 2000GB 2000GB primary ntfs
このコマンドにより、接続されているディスクの情報が表示されます。今回の例では、Buffalo製の2TBのHDDが/dev/sdbとして認識されています。購入したばかりでフォーマットされておらず、パーティションテーブルがDOS、ファイルシステムがNTFSとWindows向けになっています。Windowsの場合にはこのままでも問題ありませんが、LinuxではNTFSファイルシステムは利用に問題があります。
2. パーティショニングの実行
次に、HDDのパーティショニングを行います。今回は、1つのパーティションで全容量を使用し、ファイルシステムにはXFSを採用します。
command
# parted /dev/sdb
GNU Parted 3.5
/dev/sdb を使用
GNU Parted へようこそ! コマンド一覧を見るには 'help' と入力してください。
(parted) mklabel gpt
警告: いま存在している /dev/sdb のディスクラベルは破壊され、このディスクの全データが失われます。続行しますか?
はい(Y)/Yes/いいえ(N)/No? y
(parted) mkpart
パーティションの名前? []?
ファイルシステムの種類? [ext2]? xfs
開始? 0%
終了? 100%
(parted) print
モデル: BUFFALO HD-SHU3 (scsi)
ディスク /dev/sdb: 2000GB
セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:
番号 開始 終了 サイズ ファイルシステム 名前 フラグ
1 1049kB 2000GB 2000GB xfs
(parted) quit
通知: 必要であれば /etc/fstab を更新するのを忘れないようにしてください。
この操作により、GPTパーティションテーブルが作成され、XFSファイルシステム用の1つのパーティションが設定されます。作成したパーティーションは以下のコマンドで確認できます。
command
# cat /proc/partitions
major minor #blocks name
8 0 1171521536 sda
8 1 614400 sda1
8 2 1048576 sda2
8 3 1100910592 sda3
11 0 1048575 sr0
253 0 1084477440 dm-0
253 1 16420864 dm-1
8 16 1953381464 sdb
8 17 1953380352 sdb1
3. ファイルシステムの作成
作成したパーティションにXFSでファイルシステムを作成します。ファイルシステムの作成はmkfs.xfsコマンドを利用します。作成先としては/dev/sdb1を指定します。以下のように実行します。
command
# mkfs.xfs /dev/sdb1
meta-data=/dev/sdb1 isize=512 agcount=4, agsize=122086272 blks
= sectsz=512 attr=2, projid32bit=1
= crc=1 finobt=1, sparse=1, rmapbt=0
= reflink=1 bigtime=1 inobtcount=1 nrext64=0
data = bsize=4096 blocks=488345088, imaxpct=5
= sunit=0 swidth=0 blks
naming =version 2 bsize=4096 ascii-ci=0, ftype=1
log =internal log bsize=4096 blocks=238449, version=2
= sectsz=512 sunit=0 blks, lazy-count=1
realtime =none extsz=4096 blocks=0, rtextents=0
#
4. マウントポイントの作成とマウント
ここまででディスク側の準備は終わりましたので、サーバー側でファイルシステムを利用するためのマウントポイント/backupディレクトリを作成し、/dev/sdb1をマウントします。
command
# mkdir /backup
# mount /dev/sdb1 /backup
正常にマウントされたか確認してみます。ここではdfコマンドでディスクの状況を表示させます。
command
# df -Th
ファイルシス タイプ サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
devtmpfs devtmpfs 4.0M 0 4.0M 0% /dev
tmpfs tmpfs 16G 0 16G 0% /dev/shm
tmpfs tmpfs 6.2G 9.5M 6.2G 1% /run
/dev/mapper/rhel_syslog-root xfs 1.1T 14G 1020G 2% /
/dev/sda2 xfs 960M 297M 664M 31% /boot
/dev/sda1 vfat 599M 7.1M 592M 2% /boot/efi
tmpfs tmpfs 3.1G 52K 3.1G 1% /run/user/42
tmpfs tmpfs 3.1G 36K 3.1G 1% /run/user/1000
/dev/sdb1 xfs 1.9T 14G 1.9T 1% /backup
このコマンドにより、マウントポイント/backupに/dev/sdb1がXFSファイルシステムとしてマウントされていることが確認できます。この状態だとシステムを再起動した場合にマウントが解除されてしまいますので、別の記事に自動マウントの設定方法をまとめています。ぜひ、参考にしてください。
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USB HDDを起動時に自動マウントする方法
こんにちは、レムシステム株式会社でエンジニアとして働いている小村(@system_kom)です。今回は、USB HDDの安全な自動マウント方法についてご紹介します。多くの方がディスクを起動時にマウント
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まとめ
以上の手順で、LinuxサーバーにUSB HDDを接続し、追加のストレージとして利用できるようになりました。この方法を使えば、大容量のディスクを接続することができます。ただし、本番環境での運用には、さらなる設定(自動マウント、アクセス権限の設定など)が必要です。
また、重要なデータを扱う場合は、RAIDの構成やバックアップ戦略の検討も重要です。Linuxサーバーやストレージソリューションについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひレムシステム株式会社にお問い合わせください。皆様のIT環境の最適化をサポートいたします。